書き手と共に息づく記事


春ですね。
桜の季節には、出会いも別れもつき物です。
ブログの棲家も閉じてしまう方もあれば、お引越しをする方もいらっしゃいます。


私もブログの棲家をお引越しによって変わったりしたんですが、その時、前の場所の記事をどうしようか少し迷ったんです。
もともとブログの動機付けというかきっかけである『Macとの同居生活』は、問答無用でお引越し先にも持って行きました。
こちから勝手にトラックバックさせて頂いた方々には、失礼ながら記事の移動報告もさせていただきながら。
例えばYahoo!ブログにいた時のYahoo!ブログ独特な記事、「転載問題」や意見交換の記事などは、Yahoo!ブログに置いていくのが妥当であろうと考えました。
初めてYahoo!を知らない方が読んでも、さっぱり訳がわかりませんから。


でも、ブログをやっていた時の想いや考えの記事なんてのもあるんです。
これがクセモノです。
自分で自分の記事を可愛がりすぎると、辺りの波がサッと引くのを肌で感じる「ナルシスト」色満載なわけです。
だからといって、自分の生み出した言葉や考えを必要以上に卑下したり、無下にするのも本意じゃない。
これでも一生懸命、いろんなものを奮わせて、振るわせて書いているんです。


それでも私の記事は、誰かの心を鷲づかみにするほど熱烈歓迎されたり、たくさんの愛読者を抱えていたわけではありません。
下書きもちゃんととってあります。見ようと思えばいつでも見られる環境なんです。
ですから、私の気持ちが納得行くまでゆっくりあれこれ悩むとします。


ブログのお引越しは、私だけに限ったことではありません。
私の大切なブロガーさんや、こっそり愛読していた方々でもあることです。
大体の方は元のブログを閉じてはしまわず、リンク切れの無いように配慮なさる気配りの行き届いた方ばかりです。
『オーナーは不在ですが、いつでもご覧下さい』と開放して下さっている方ばかりです。


行き詰った時、初心に帰りたい時、そのブログのその場所で、あの記事に向き合えば心安らぐ、奮起する。
そうやって励まされたり、叱られたり。
愛読者の気持ちを汲んでくださってありがたいなぁと思います。


私はブックマークもRSSリーダーも利用しています。
反面、お気に入りだけれでも、いや、お気に入りだからこそブックマークもRSSリーダーにも登録しないで赴くブログや記事もあります。
そこに向かう、アドレスを打つプロセスから大事な儀式のブログや記事*1


そのブログの記事には、オーナーの雰囲気というか息がかかっているんですよ。
オーナーと共に脈打ち、呼吸している。
だからこそ、ブックーマークや転載のように本体から切り離してはいけないもの。
オーナー不在のブログや記事たちは、長期滞在の為に家具や部屋のあちらこちらに大きな白いシーツをかけられたお留守番の空き家状態。
かつての残り香や雰囲気のカケラが返って物悲しく痛々しいのです。
人の住まない家がドンドン傷んでいくように、ブログも記事もオーナーと離れて精彩や勢いが薄らいでいくようです。
記事が活字の羅列になって行くようで寂しいのです。


できることなら、新しいブログに連れて行ってもらえたらなぁと思います。
『旧ブログの記事』という書庫でそのまま保存もいいし、今現在の状態にあわせてリニューアルバージョンでもいい。
それもオーナーと共に進化、成長する記事だと思います。
まさに息づいている記事ですね。


もしこの記事をご覧になってくださる方がいらっしゃるとして、なるほどを感じるところがありましたら、
ぜひともかつて旧ブログにおいてきた記事たちを、新しいブログに引き取ってはいただけませんか。
ブログの記事には、折に触れ交わりたい、浸りたい世界を与えてくれるものもあるんです。

*1:決してブックマークや、RSSに登録している記事のほうがやすいとかではなく、私の中で切り分けができているという意味です。もちろんブックマークした記事も大事に思ってます。