デジタルデバイド


デジタルデバイドとは 【digital divide】 ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words


パソコンやインターネットなどが使えないと世の中から置いていかれてしまう、いわゆる社会の『負け犬』になってしまいますよ。
ということであろうか。
そしてそのデバイド(格差)を縮めるためにどうするのかというと、
        ・ 100ドルパソコンのようにとりあえず物理的に1人一台を目指して持たせ、インフラを整える。
        ・ パソコンの使い勝手を良くする(誰でも使えるような簡単操作にする)。


上っ面は聞こえがいいけれど、どれも本質的には解決していないように聞こえます。
なぜなら、情報を得られない損害を心配しているというよりは、『だからパソコンを持ちましょう』とセールストークしているようにしか聞こえないから。
本質はさておき格好から……。というのはよくあるパターンだけれども、物を買って、自発的に操作しての煩雑さも併せて、怪しげに感じてしまう人も多いように思います。


パソコンやインターネットを使う人と使わない人、また使いこなす人とでき合いまま使う人が存在するのは、
例えばWindowsの操作性が難しいとか、デジタル偏見というよりは、
【パソコンやインターネットを使用しなくても、まだなんとか生活ができるから】
【今までのライフスタイルを遂行するのに、大きな支障を感じないから】
ではないのでしょうか。


テレビや銀行のATMは、使えないと今日の生活に困るという身に迫ったものがあります。
またそういった生活に必要なデジタルの場合、より多くの人が使いやすいように拡張性やアプローチの方法を1つにして迷いにくいようにしています。
Windowsがどんなに使いやすくても、テキストのカット&コピーの方法に、ツールバーや標準のボタン、右クリックによるショートカット、キー操作によるショートカットなど選択肢が多すぎます。
汎用性の使いよさはあるけれど、初心者にはこれだけでも敷居が高いのです。


以前、こんな話を聞いたことがあります。
海外の取引先にシステムを導入した際です。
導入作業が終わり、お客さんにオペレーション方法を説明しました。
「コンピュータを入れるといったから、全てコンピュータがやってくれると思ったのに、
これじゃぁ、今までと何にもかわらない。コンピュータを入れた意味がない。逆に仕事が増えた。いらないから持って帰ってくれ。」
今までの方法で十分だと、お客さんはたいそうご立腹だったそうです。
なだめてすかして何とか事を収めてきたようですが、システムを導入しに行った人にとっては、とてもビックリしたしセンセーショナルな出来事だったようです。


紙と鉛筆の作業であることは変わりないが、転記ミスや計算ミスの削減、情報の一元化など今までの人的な穴や人数に頼った作業を少人数でこなせるのが、電子化。
全ての仕事を考えてやってくれる万能なロボットじゃない。
しかし、パソコンやインターネットになかなか踏み込めない人たちの中には、そのような理想と恐さを持ち合わせて遠ざかってしまう人も多いのではと思います。
使えなくても命はとられないし、今までの方法で新聞やテレビのメディアでまだまだ十分と感じている人も多いはず。
その意識こそが格差を生むのだとしても、周りを見渡せば紙媒体でコピー、ファックス、電話も現役。どちらかというと主流。
危機感も疎外感もないはずです。パソコンに少し精通した人がそばに居れば十分だし、便利。くらいにしか思えないでしょう。
デジタルデバイドと対峙するのは、本当に差し迫った時がきたその時に考えるといった他人事の姿勢でいる人は多いでしょう。


デジタルデバイドという言葉が、単なるパソコンを世に広めたい一部の人たちのエゴに基づいた商業意識の現われでないことを祈りたいです。
デジタルを媒介にして得られる情報は確かに膨大だけれど、だからデジタルだけ。というならそれは疑問視です。
また、デジタルから得られた膨大な情報を分類、整理して使いこなすのは、人間自身。
ふるいがデジタルだけだと、意外と目が粗くてすっぽり大事な情報を逃してしまうこともあるかもしれません。
道具や手段の選択肢の1つとしてパソコンやインターネットもある。でもパソコンやインターネットが全てじゃない。
選択肢のカードは多いに越したことがないから、いつでもホットスタンバイでは置きたいですが、過剰な期待や入れ込みには注意したいです。
そうそう、
職場で英語がムチャクチャ達者な同期のAちゃんは、『日本人が外国語を話せることは、特技じゃないのよ。ただのかくし芸』が口癖です。日本語すらもおぼつかない私には、英語がペラペラなだけでもすごいことなんだけれど、彼女にとっては英語が話せることは1手段であることにしか過ぎないらしいです。
ちなみに、「warning」を「ワーニング」と発音するととても耳障りなんだそうで、「ウォーニング」といつも直されます。


《余談》
パソコンではありませんが、最近の車。
電子制御は常識。
日本のクルマメーカーでは、パーツ会社まで全面に押し出してユーザーにアナウンスすることはありませんが、つるしのまま使わず内部の仕様はメーカが決めても、構造に関してはパーツ会社まかせ。
構造がどうなっているかまでは問わないのが、信用取引でお約束とか。
ジレンマはあってもじっと我慢なんだそうです。
いざという時や整備の関係上、できるだけ手の届く範囲の構造であって欲しいが私の希望です。
だからというわけではありませんが、私の愛車も私よりお姉さんのアナログな車。ギアのかみ合い命です。